2023年03月10日 第2回デジタル田園都市実現を目指すためのデータ活用促進イベントを開催しました。
1 開催日時
2022年12月13日(火) 13時~16時
2 開催場所
オンライン開催
3 参加者
講演会・オンライン参加者:78名
4 主 催
主催:(事務局:一般社団法人京都スマートシティ推進協議会/京都府文化学術
研究都市推進課)
運営:ソフトバンク株式会社(ビッグデータ流通加速化WG事務局)
5 概 要
(1)挨拶
京都府 商工労働観光部 文化学術研究都市推進課 課長 梅原 和久 氏
京都府では京都府では平成30年からビックデータ活用プラットフォームを作り、産官学でビックデータの活用・ビジネス検討を進めている。
現在、ビックデータ活用プラットフォーム会員は160を超える団体に参加いただいており、今年度はデジタル田園都市国家構想推進交付金も採択され、さらにデータ活用の促進を進めるためデータ取引市場を整備予定している。
本日も本イベントを通じてデータ活用について一緒に考え、京都府の取り組みにも参加いただけると幸いである。
(2)特別講演
「データ活用の有効性や将来性について」
慶応義塾大学教授 宮田 裕章 氏
宮田様は、慶応義塾大学の教授で、現在様々な国のプロジェクトでご活躍されており、講演会では「データ活用の有効性や将来性について」お話いただいた。
はじめにデータ活用おける意義や現在の世界のあらゆる課題についてお話いただいた。
これまでの世界はお金を中心に社会・世界が動いてきたが、コロナウィルスの拡大をキッカケに大きく変化し、データによって多様な価値が生まれてきている。
「豊さの基準はお金ではない」という考えに転換が始まっており、データとAIを活用することで、社会の在り方が大きく変わる。現在、日本において、デジタルは1つの産業を支えるのではなく、複数の産業を繋げて未来を作り、新たなライフスタイルを作るということがデジタル田園都市構想であり、まさに現在その転換期である。 また、データ活用の有効性について、世界各国の様々な事例についてお話いただいた。
1例として、日本における「シングルマザーの貧困問題」は、雇用、福祉、健康のデータを繋ぐ「子どもデータベース」を構築して活用することで、シングルマザーと子供の貧困を事前に検知・予防することができるようになる。
このようなデータ活用は、データが無ければ、1人1人対応するしかなかったが、データがあるとコストをかけず対策が実施でき、データ活用がいかに社会課題に有効であるかを証明できる。
これからは経済合理性、Wellbeingだけでなく、Better Co-beingを目指す時代であり、命・人権・環境・平和への貢献度をデータによって可視化されることで、明確に世界が変わってきており、データは未来を切り開く重要な手段になる。
(3)Liveセミナー
ファシリテーター:株式会社コミュカル 代表取締役 松岡 隆 氏
モデレーター:ソフトバンク株式会社 データ利活用アドバイザー 東谷 次郎 氏
スペシャルゲスト:Microsoft Cloud Developer Advocate 千代田 まどか(ちょまど) 氏
「データ活用」というビジネステーマのセミナーということもあり、完全デジタル・オンラインでのワークショップを企画・実施した。
従来のポストイットと模造紙を使ったワークショップではなく、参加者は完全オンラインで参加し、画面に映ったQRコードをスマートフォンで読み込み、アンケートツールを用いた完全デジタル・オンラインでのワークショップを実施した。
スマートフォンで投稿した回答はプロジェクターにリアルタイム表示され、参加者が何を選択したのか、自分の選択が少数派なのか多数派なのか、すぐに確認することができる。
はじめに「データ活用」に関する基礎的な講義を実施し、参加者にはヘルスケアデータの活用事例を含め、データ活用の理解を深めていただいた。
ヘルスケアデータを用いたサービス事例として「拡張型」「組み合わせ型」「取り込み型」の3つのサービス例を紹介した。
拡張型は、現業のプラットフォーム上に新たなヘルスケアサービス・商材を付加するサービスのことで、例として三重県大台町のオンデマンド交通と診療を合わせた医療・行政MaaSの事例を紹介した。
令和4年度、医療MaaSの実証実験を10月6日に開始
https://www.dnp.co.jp/news/detail/20167980_1587.html
組み合わせ型は、ヘルスケア事業者と共同でサービスを持ち寄り、新規ビジネスを立ち上げ、例として、あすけん・京都大学糖尿病の栄養食事指導を補助するアプリの共同開発を紹介した。
京都大学とaskenが糖尿病の栄養食事指導を補助するアプリを共同開発
https://www.asken.inc/news/2021/12/7/asken
取り込み型は、既存の自社サービスに自社開発のヘルスケア機能を付加することで、例として住友生命の保険の一種である「バイタリティ」をご紹介した。
住友生命「Vitality」とは?
https://vitality.sumitomolife.co.jp/
その後、参加者に健康予防に役立ちそうなデータやビジネスアイデア、ライフログデータを活用した拡張型のサービスについてアイデアを出し合った後、ワークショップを終了した。
(4)閉会の挨拶
京都府 商工労働観光部 理事 髙橋 義典 氏
前半の講演会では、宮田様に昨今の世界の変化・課題からデータ活用の有効性についてまでをわかりやすくご講演いただいた。
後半のワークショップでは、息の合った3名の掛け合いとわかりやすい解説で非常に楽しいワークショップになったと思う。
9月から全4回このようなイベントを開催し、今までワークショップの進行を努めていただきましたコミュカル松岡様をはじめスペシャルゲストの千代田様、本当にお疲れ様でした。
6 イベントの様子
<アジェンダ>
<挨拶>
京都府 商工労働観光部 文化学術研究都市推進課 課長 梅原 和久 氏
<特別講演>
「データ活用の有効性や将来性について」
慶応義塾大学教授 宮田 裕章 氏
<Liveセミナー>
ファシリテーター:松岡 光隆 氏(株式会社コミュカル 代表取締役 CEO)
モデレーター:東谷 次郎 氏(ソフトバンク株式会社 データ利活用アドバイザー)
スペシャルゲスト:千代田 まどか(ちょまど) 氏(Microsoft Cloud Developer Advocate)
<閉会の挨拶>
京都府商工労働観光部 理事 髙橋 義典 氏