京都ビッグデータ活用プラットフォーム 第10回全体会議を開催しました

2022年08月22日 京都ビッグデータ活用プラットフォーム 第10回全体会議を開催しました

開催日時

2022年7月28日(金) 13時~15時

開催方法

Webセミナー形式

参加者

129名

開催概要

 (1)挨拶
  京都ビックデータ活用プラットフォーム運営協議会 会長/京都府 副知事 山下 晃正 氏
   コロナ渦で3年を迎えて、いよいよ日常の生活を取り戻す活動を進めないといけない。
   今年は京都スマートシティエキスポもリアル開催する。今まで以上に皆さんのビジネスチャンスにつなげたり、各公共団体が持つ
  地域課題の解決につなげていくようなイベントになるよう努力したい。
   ビッグデータ活用プラットフォームも活動強化していきたい。
   今年度は本格的にビッグデータが社会的に有効活用できる仕組みづくり、我々が目指す社会課題の解決につながるような具体的な
  取り組みも始めて行きたい。
   一方でメタバースの話を毎日聞く様になっている。デジタルツインを目指し、ビッグデータプラットフォームがメタバース時代に
  どんな役割をしていくかも検討しながら、皆さんと話し合いをしてより進化したプラットフォームにしていきたい。

 (2)特別講演1「データ駆動型社会の実現に向けて-データ連携基盤と安心・安全なデータ取引に向けて」
  (一社)データ社会推進協議会 専務理事/事務局長
  エブリセンスジャパン株式会社 代表取締役 眞野 浩 氏
   データは特定の企業のものではない。欲しいデータ、使えるデータを集めることで、誰でも新しい事、革新的な事ができるように
  なる。様々な社会課題があるが、社会課題をAI、デジタルで解決する機能が必要である。
   イノベーションはデータをベースに起きる。データのイノベーション民主化を目指そうとDSAデータ社会推進協議会を作った。国
  や分野を超えたデータ連携ができる普遍的な基盤を作っていく。分野によってデータの取り扱い姿勢や整理方法が違うため、分野を
  越えたデータ連携を目指すための基盤がDATE-EX。
   リアルな空間と仮想空間を行き来できるのはデータだけ。データ流通は人間の体では血液とか血流みたいに大事。循環によって
  活性化してイノベーションが起こる。データ流通の運営に関する共通サービスのため、データ取引市場をデータ流通の中間に整備し、
  共通の価値が生まれるよう価値基準となる市場価格を導入できるようにする。
   法律上、データ所有権という概念は入れられないが、権利範囲を狭めると標準化できそう。権利を定めたデータ権利書とデータを紐
  づけて、暗号化による安全設計をして、これから実証を行い安心安全にデータの流通を進めていく。

 (3)特別講演2「Society5.0とウェルビーイング」
  京都橘大学工学部情報工学科 教授/副学長 東野 輝夫 氏
   厚生労働省が定義するウェルビーイングと日本政府が提唱するsociety5.0を説明。AIブームで流行っている中、深層学習ディープ
  ラーニングは、情報を与えるだけで自己学習で知識の重みを決める。ウェルビーイングはsociety5.0研究の一環として進められ、AI
  の医療応用はかなり進んでいる。
   大阪大学のライフデザインイノベーション研究拠点は、パーソナルヘルスレコード(PHR)と、生活環境データをマッチさせた
  パーソナルライフレコード(PLR)を、医療、健康データと融合する仕組みを構築、有効なイノベーション創出を目指している。
   民間企業向けPHRデータベースも開発している。個人データは保護規則を尊重して収集、二次利用時には本人同意をとる仕組み。
   プロジェクトとして、妊婦の妊娠から子供が2歳になるまでを見守る研究、心不全患者の見守り研究、環境センサーと腕時計型
  ウォッチにより熱中症の予兆検知と改善を行う健康スポーツプロジェクト、就学困難になってきた学生の予兆検知を行う学校支援
  プロジェクトなどがある。密回避でテニスをする研究は、NHKのニュースで取り上げられ、実際に国際大会でも使われている。
  society5.0やウェルビーイングを健康、介護とか医療関係の技術にどう応用するか、会議出席の企業、自治体と連携して新たな
  イノベーション創出ができればありがたい。

 (4)話題提供
   京都府文化学術研究都市推進課
1「京都府デジタル田園都市国家構想の取組紹介~けいはんなサステナブルスマートシティ~」

   デジタル田園都市国家構想の事業概要の説明。京都府は事業Type1とType2で採択。Type1は、けいはんな学研都市におけるビッグ
  データを活用した健康サービスアプリ導入支援事業で事業費8500万。データ流通取引市場の整備と、データ活用型地域課題解決補助
  金交付による健康分野の課題解決に資する健康サービス、アプリの導入を支援する。
   Type2は、けいはんなサステナブルスマートシティ事業で事業費2億6000万。ウェアラブルデバイスとスマホアプリ、デジタルサイ
  ネージ、データ流通取引市場等を活用して住民の健康とスマートライフを支援するとともに、データ流通取引市場のデータを二次
  利用することで、新事業やビジネス化など次のアクションに繋がるサイクルをつくる。
   Type1、Type2事業で目指すのは住民参加型のまちづくり。クラブけいはんな、京都ビックデータ活用プラットフォーム、けいはん
  な国際研究ネットワーク等とも連携可能性がある。けいはんなサスティナブルスマートシティを実現すると、新たにデータ連携基盤
  とデータ流通市場が加わる。この二つがうまく回りながら、けいはんなモデルを府域に展開し、京都府のデジタル田園都市を実現して
  いくことを目指す。

   2「今年度の進め方とコミュニティ/実証・事業化WG」
   昨年度までは課題別ワーキングを立ち上げて活動していたが、具体的な成果が見えず課題も多かった。今年度は活動方針を変更して、
  課題別ワーキングをコミュニティとワーキングの二つに分ける。事務局は会員が実施したい内容や課題解決したいテーマを募集して
  マッチングし、情報提供やセミナー開催、オブザーバーによる助言など計画的に活動を支援する。
   コミュニティ、ワーキングに共通ルールを策定し、オーナーの設定と責任を明確化する。コミュニティワーキング内で運営規約を
  策定してもらう。コミュニティは企業、自治体と課題を情報共有して共同で解決策を議論できる場を提供する。ワーキングは企業、
  自治体と事業アイデア、実証実験などを提案して、課題解決に直結させる。事務局はオーナーから定期的に報告と情報共有してもらう
  などモニタリングを実施する。
   今年度のスケジュールは、年度末に第11回の全体会議を開催予定の他、各種セミナーを随時開催する。コミュニティ、ワーキングは
  組成を進めている。
   活動中のコミュニティとワーキングの概要説明に続く。

   (文責:事務局)

 

 

   Webセミナーの様子

<アジェンダの内容>              <挨拶>京都府 山下副知事

 

 

<特別講演1>
エブリセンスジャパン株式会社 眞野氏

 

 

<特別講演2>
京都橘大学工学部情報工学科 教授/副学長 東野氏

 

 

<話題提供>
京都府文化学術研究都市推進課

 

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