スマート街区WG参加企業による京都リサーチパークでの実証実験についてプレスリリースしました!!

2023年01月30日 スマート街区WG参加企業による京都リサーチパークでの実証実験についてプレスリリースしました!!

 

 京都ビックデータ活用プラットフォームが支援するスマート街区WGの活動について、以下のとおりプレスリリースしましたので、お知らせします。

 

スマート街区プロジェクト第二期実証実験について
~京都リサーチパークをフィールドに複数企業のアイデアを結集し、スマート街区での行動変容を実証~

 

 超快適スマート社会の創出を目的に、産学官の多様なプレイヤーが集まり、ニーズやシーズのマッチングにより、新規事業や課題解決を図る京都ビッグデータ活用プラットフォームにおいて、令和3年度に街区レベルでの人と空間の情報を活用した行動変容を実証する「スマート街区ワーキンググループ(WG)」を立ち上げました。
令和3年度の第一期実証を経て、令和4年度の第二期実証では、令和3年9月28日(火)に第2回スマート街区WGを実施し、複数企業・団体よりアイデア提案を受け、4企業・団体が企業間アライアンスによる新規プロジェクトの実証を進めてきました。
 この度、第二期実証においては、施設利用者向けLINEアカウントを活用した域内複数施設の混雑情報をタイムリーに提供する実証、レジカウンターの待ち時間やフロアの混雑率といった混雑状況をAIで分析・可視化すると共に割引クーポン発行で混雑に連携した集客を行う実証、人流センサーでフードトラックの混雑状況をリアルタイムに分析・可視化し人流変化や傾向の分析を行う実証、フードトラックから自動走行型ロボットがテイクアウトフードを自動運搬する実証を実施し、データ利活用による施設の利便性・快適性の向上に取り組んで参りましたので、ご報告致します。

(1)取組の背景・目的
 スマートシティの実現において、先進的なICT技術やサービスを都市レベルに展開していくにあたり、一定規模かつ複数建物間(街区)での実証が必要です。
センシングやデータ解析、アプリケーションなど、様々な技術を組み合わせたソリューションが求められるため、一社単独での対応は難しく、複数企業での協働が重要となります。
 これらを背景に、複数企業でのアライアンスを軸として課題解決に取り組むスマート街区WGを立ち上げ、スタートアップや中小企業など企業規模を問わず参画し、企業間でのデータ利活用を促進する基盤整備も含め、イノベーション創発へ取り組んできました。
 令和3年度の第一期では、人や空間の密状態を測定・可視化し、施設利用者が感染症予防対策として求められる適切な回避行動を可能にする「安心安全の確保」を目的とした実証を行いました。
 令和4年度の第二期実証では、混雑状況の見える化や複数企業のデータを活用した施設利用者への情報配信といった施設の「利便性向上」を目的とした実証を行い、アフターコロナを見越した課題解決に取り組みました。

 

(2)実証の内容
 第一期実証同様に、企業間アライアンスによるシナジーを発揮したソリューションを京都リサーチパーク地区内に展開しました。第二期実証では、ランチ時間帯に混雑するフードサロン「GOCONC」と「ツドイStreet」のフードトラック販売を対象に、ミライト・ワンが提供するAIで混雑状況を解析するシステム(WaitTime)のデータと、MODE, Incが提供する赤外線検知で人の進行方向を解析するシステム(MODE IoT Platform)のデータから施設の混雑状況を可視化し、気象データも含めて、施設利用者が登録する京都リサーチパーク公式LINEアカウント(実証実験用)上でのタイムリーな閲覧を可能にしました。これにより、屋外施設では気になる天候状況と、飲食店の混雑状況から、オフィスに居ながらランチ場所の選択を容易にし、快適なランチ時間を提供します。
 本実証では、データの取得・流通・可視化まで一連のシステムを計5社の協働により構築・提供しています。コロナ禍における安心安全の確保を目的としたデータの利活用から、アフターコロナを見越して施設利用者の満足度向上に資するデータの利活用により、施設運営者にも意義のあるデータを用いた価値創造へ取り組んでいます。

 

 

 さらに、街区の価値向上に資する多様な下記実証も合わせて行い、スマートシティへの実現に伴う課題の洗い出しや有効性の検証などを進めてきました。

① AIにより混雑状況を可視化する「WaitTime」を活用した実証(株式会社ミライト・ワン)
 京都リサーチパーク10 号館の 1F にあるフードサロン「GOCONC」に「WaitTime」を設置し、レジカウンターの待ち時間やフロアの混雑率といった混雑状況をAIで分析します。分析結果は、混雑度に応じて緑(空いている)→黄(やや混んでいる)→赤(混んでいる)の表示バーでとわかりやすく可視化し、サイネージやスマートフォンにリアルタイムに配信、店舗を訪れる前に混雑状況を把握することで起きる行動変容による混雑緩和の実証を実施しました。また、空いているときに割引クーポンを表示するなど混雑に連携した集客機能の効果も合わせて検証しています。

 


        サイネージに表示した混雑情報                         クーポンを表示して集客

 

② 人流センサーによる街区の混雑度の可視化実証(MODE,Inc)
 京都リサーチパークの「ツドイStreet」において、赤外線検知で人の進行方向を検知できるセンサーズアンドワークス社製人流センサーを設置し、昼時に出店されるフードトラックの混雑データを、MODE IoT Platformにリアルタイムで収集しています。天候やイベント時における人流の変化や、にぎわいの傾向分析を行い、得られた効果を今後のまちづくりへの活用を検討しています。

 

 
    ツドイStreetに設置した人感センサー       収集データを基に人流を分析したレポート

 

③ 自動運転社会に向けた三次元センサネットワークを用いたデジタルツイン基盤の開発と社会実験
 (芝浦工業大学 情報工学科 新熊研究室)

 屋内外施設に三次元センサネットワークを設置し、取得したデータから実空間のコピーを仮想空間上にリアルタイムに形成し、人工知能で空間の特徴をとらえるデジタルツイン基盤を開発中です。本基盤を通じて電動スクーターや電動車椅子、搬送ロボットの安全な多数同時自動運転の実現を目指しています。その社会実験を京都リサーチパークで実施し、フードトラックが集積するエリア「ツドイStreet」に計10台のセンサーを設置して空間特徴情報を取得。フードトラックの利用者が行き交う環境の下、自動走行型ロボットがテイクアウトフードを約60~80メートル先のテラス席で待つお客様に運搬する実証を行いました。

 

 
      LIDARを用いた三次元センシングのシステム       テイクアウトフードを運ぶ自律走行ロボット

 

これらの実証結果や抽出した課題の解決を通じて、今後もスマートシティの実現に向けて貢献をして参ります。

(3)各社の役割
 ・NTTコミュニケーションズ(株)
  スマート街区WGオーナー。
  データ利活用基盤(Smart Data Platform for City)を提供。各種システムから生まれる実証実験データのサービス間連携を実現。
 ・シスコシステムズ
  アドバイザリーボード。
  スマートサイネージを提供。KRP関連情報や実証実験のデータをサイネージに表示し、入居者/訪問者へ各種情報を提供。
 ・(株)ミライト・ワン
  混雑解析システム及びカメラを提供。飲食店の混雑や行列を可視化し、施設利用者へサイネージやWebアプリケーションで情報を提供。
  閑散時間帯のクーポン配信による店舗誘客など販売促進での用途開発も合わせて実証。
 ・MODE,Inc.
  人流解析システム及び赤外線センサーと、人流データをリアルタイムに活用できるクラウドシステムを提供。
  人流の滞留箇所や分散の方向を可視化し、フードトラックの集客効果を人流データに基づき検証可能な環境を提供。
 ・(株)80&Company
  KRP公式LINEアカウントへの情報配信管理システム「QRGO」を提供、及び実証。
  実験で取得した施設内の混雑情報をLINEから確認できるユーザフレンドリーなUI提供によるCX向上を支援。
 ・芝浦工業大学 新熊研究室
  LIDAR を用いた三次元センシングによる自律モビリティのためのデジタルツイン基盤を提供。
  自律走行ロボットによるフードトラックから購入者への自動配送サービスを実証。
 ・星和電機(株)
  スマート街路灯を「ツドイStreet」に設置。
  各種センサー機能と情報の利活用による各サービスの提供およびスマートな社会の実現を目指す。
 ・旭化成(株)
  KRP館内(会議室等)に環境センサーを設置しCO2濃度を測定。
  密閉・密集状況の可視化や測定値に基づく換気等のアクションを促進。
 ・(株)スイッチスマイル
  KRP館内(地区内)にWiFi・Beaconを設置し、人数や人流を測定。
  混雑状態の可視化による施設利用判断の情報と人流の分析データを提供。
 ・ジオテクノロジーズ(株)
  KRP周辺エリアの地図データを提供。
  周辺施設情報や経路案内機能の提供による利便性の向上。
 ・京都リサーチパーク(株)
  実証フィールドの提供。

 

(4)今後の展開
 京都ビッグデータ活用プラットフォーム全体会議(2023年開催予定)で取り組みを発表予定。

 

(参考)
 京都リサーチパーク株式会社について
・全国初の民間運営によるサイエンスパーク「京都リサーチパーク」を1989年に開設。京都府・京都市の産業支援機関などを含めて500組織・6,000人が集積。オフィス・ラボ賃貸、貸会議室に加え、起業家育成、オープンイノベーション支援、セミナー・交流イベント開催など、新ビジネス・新産業創出に繋がる様々な活動を実施。「ここで、創発。~Paving for New Tomorrow~」をブランドスローガンとして、イノベーションを起こそうとする世界中の方々に、魅力的な交流の舞台、事業環境を提供することを通じて、世界を変える新たな事業が生まれることに貢献します。
・所在地:京都市下京区中堂寺南町134


今後とも京都府のスマートシティを推進できるよう、会員様のPFでの活動を支援していきます!

他のお知らせを見る