2022年02月03日 第2回感染症対策SCP_WGを開催しました
開催日時
2022年1月20日(木) 14時~16時
開催場所
ウイングス京都、オンライン (ハイブリット開催)
参加者
23名
開催概要
【第1部:講演会】
(1)感染症対策SCP_WGの概要について
・感染症対策SCPとは、完全な感染症対策を実施し、持続性のある陰性者集団や共同体・地域社会を生み出す計画・課程のこと
・趣旨としては、コロナ陰性者で経済を回すため、ワクチン接種・検査証明を活用する。
・感染症対策SCPを個人、企業、団体で促進し、社会全体に広げる。
(2)基調講演1「各種検査に関するトピックス
~バブル空間の構築とその持続性を検討する~」
滋賀医科大学 名誉教授(臨床検査医学)岡部 英俊氏
・現在はPCR検査が一番信頼性が高い。簡易抗原検査は利便性が高いが、PCRに比して有用性はかなり劣るという見解もあり、
有効ではあるが過剰評価はしない方がよい
・個人の任意検査の際は医療に用いる検査と異なり法規制がないため、依頼先の施設の資格や外部精度管理の認証、実施方法等
検査方法の開示の有無をチェックすることが大事である
・ワクチンパスポートの有効期間設定については、接種後の抗体量に個人差があるため、抗体量測定を併用すれば設定できる
可能性がある。ただし、抗体量測定には採血が伴うため、利便性は低いと考えられる。
・PCR、抗原検査ともにいずれも正しい情報を元に利用することが大切である。
基調講演2「3密見える化ソリューションのご紹介
~CO2センサを用いた換気状況の見える化~」
旭化成株式会社 マーケティング&イノベーション本部事業・企画統括部 白倉 弘章氏
・CO2センサを用いて3密状況の見える化サービスを展開している。
・小さくて軽いセンサであり、センサ用のコンセントが不要なため、測りたい場所で測定し、見せたい場所で表示することが
できる。
・飲食店の活性化を目的に、自治体と協定締結し、アプリへマップ機能を組み込み、飲食店と利用者双方にメリットがある
サービスを提供している。
・クラウド版では複数のセンサの情報を一括確認できる。主観ではなく客観的な測定値を示すことで密回避に協力してもらえる。
・アプリ版とクラウド版は組み合わせて利用できるため、管理者だけでなく利用者も換気状況を確認することができる。
【第2部:意見交換会】
(1)「”スモールバブル”による感染症対策のイメージの共有」
(株)テクノプロ テクノプロ・R&D社 鈴木 雅之氏
・スモールバブル創出の際、ホストがゲストの受け入れ条件・受け入れ時フローを準備する必要がある。
・発展的にはスモールバブルを連携させていくことを検討している。
・抗原検査のキットには感度、特異度、正診率、精度が記載されているので、それぞれの指標の意味を把握した上でキットを
選択することが可能である。
(2)「フィールドワーク活動進捗報告とその活動に基づいた受入条件(テンプレート)」
(一社)防災減災技術開発機構 代表理事 勝田 芳史氏
・実際に会食やミーティングの機会にフィールドワーク活動としてスモールバブル体験を実施した。
・第1回WGはゾーニングを実施したが、今回は検査「陰性」者のみ入室可能とし、陰性者空間のスモールバブルを体験して
もらった。
・スモールバブルをどう作るか受入条件の設定が難しい。原則は検査結果の有効期間内における「陰性」証明が必要である。
ワクチン接種は必ずしも陰性を証明するものではない。
(3)フリーディスカッション
(岡部氏)今回のように厳密にやるのはよいが、例えば旅行時に毎回このような手続きを求めることはできない。
経済を活性化するためには、絶対コロナにかからないという条件は難しく、重症化しないという視点が必要になってくる。
PCR検査を受けて、相対的には危険度が低い状態である、という示し方が一番現実的ではないか。その考え方が世間に
受け入れられるかどうかが課題である。
(勝田氏)地域やコミュニティ、全体の認識がうまくいかないと難しい。
(白倉氏)換気に注目していたのは主にデルタ株が蔓延していた頃であった。リスクをどこまで受け入れられるかという考え方が
大事だと思う。
(参加者)海外では集会などの前にPCR検査が必須になっており、無料で受けられるため、行列をしてでも受ける国がある
らしい。現在日本では検査を受けるのにネガティブなイメージを持っているが、そのイメージを変えていくために
このWGの活動を進めていくことに意味があるのではないかと思う。
(文責:事務局)
<開催の様子>
<オンライン>
<岡部氏 講演> <白倉氏 講演>
<意見交換会鈴木氏> <意見交換会勝田氏>
<フリーディスカッション>