2022年04月20日 京都ビッグデータ活用プラットフォーム 第9回全体会議を開催しました
開催日時
2022年3月25日(金) 13時~15時
開催方法
Webセミナー形式
参加者
91名
開催概要
(1)挨拶
京都ビックデータ活用プラットフォーム運営協議会 会長/京都府 副知事 山下 晃正 氏
コロナ禍での換気対策として京都府ではCO2濃度測定器を配布し、CO2濃度をビッグデータとして収集した。
マニュアル化して学校等で応用できるよう進めていく。
また、下水道処理水からコロナウイルスを測定したデータとCO2のデータが密接に関連していることがわかってきた。
今後はスマートシティのメリットを住民に実感してもらえるよう小さなスケールで実証実験を実施し、積み重ねて歩みを
進めていきたい。
(2)特別講演「インクルーシブで持続可能なスマートシティ実現を目指して」
元シスコシステムズ合同会社 代表執行役員会長 鈴木 和洋氏
現在世界は深刻な格差と分断が起きているが、デジタルやDXの力を借りてインクルーシブな世界を目指すべきである。
ニューノーマルに対応するスマートシティソリューションはこの2年のコロナ禍において世界の知恵が結集されたと考えられる。
様々な社会課題があるが、社会課題をAI、デジタルで解決する機能が必要である。
持続可能なスマートシティ実現に向けてのポイントは、専任組織が産官学を束ねるリーダーシップを発揮、柔軟かつ機動力のある
フレームワークの構築、住民が継続的に参加できる仕組づくり、小さな単位での社会実装、の4つである。
Q デジタル・ディバイドについて克服する方法などはあるか。
A デジタル技術も進化していく。現在はデジタルを自ら操作しないといけないが、日常生活の中でデジタルの恩恵を受けられる
ように変化しつつある。
Q デジタル化にあたり、各自治体職員へのメッセージや助言をお願いしたい。
A 小さな単位で実施し小さな成功を積み上げていくことが重要である。民間へ支援をお願いする時も半年~1年で結果や成果が出る
形の方が巻き込みやすいと考える。
(3)令和3年度の活動報告について
・事務局から報告
会員傾向としては入会が大きく増え、IT関連企業だけでなく幅広い業種の企業が入会している。今年度は中小企業、自治体、
団体が増加した。
全体会議を今回を含め2回実施し、課題別WGの活動が活発化した。個別プロジェクトはデータ流通加速化プロジェクト、
スマート街区プロジェクト、留学生観光軌跡データ収集プロジェクト等具体的なプロジェクトが進行した。
また、会員企業の個別プロジェクト創発・企業間のアライアンス創発を積極的に支援した。
・各WGから報告
1 スマート街区WG
NTTコミュニケーションズ(株)西日本営業本部主査 伊藤 大樹 氏
このWGはKRPを仮想街区として企業間連携した実証実験を行い、新たな事業拡大を目指している。KRPで実施するメリットは
多様な人が多くいるフィールドで実験でき、調整などがスムーズに進められる点である。
今後は実績やノウハウを対外的にPRする中で事業拡大を進めていきたい。
Q 今後求めるビジョンは何か。
A 実ビジネスや収益化について進めること。新たな自治体などのフィールドに対して新しいビジネスのアプローチを展開する
こと。
2 データ流通加速化WG
ソフトバンク(株) ソリューションエンジニアリング本部 担当部長 東谷 次郎 氏
このWGでは多種多様なデータから新たな価値を生み出す取り組みを行っている。今年度は3企業にサンプルデータの提供を受け、
データの組み合わせの利活用案を示した。
今年度は安心安全にデータを預かるための利用規約を作成した。次年度はデータ流通市場の整備・実証実験を進めていく予定で
ある。
Q WGの課題や苦労したことは何か。
A データをどう利活用されるかわからないので企業側からすると出しにくいと考えられる。これから参画される企業へ安心安全を
担保するための説明が大切である。
3 感染症対策SCP_WG
(一社)防災減災技術開発機構 代表理事 勝田 芳史 氏
このWGでは検査と支援ツールの有効活用により感染症対策を行いながら社会活動を進めていくことを目標としている。
今年度は3回のWGをリアルで開催した。
デジタルのシステムを利用しスモールバブルをネットワーク化することで課題解決する仕組みを進めていきたい。検査コスト
圧縮の検討や組織の連携、WGの活性化が課題である。新型コロナ禍の苦い経験を喉元過ぎて忘れることなく、課題解決を進めて
いきたい。
4 地域課題WG
シンク・アンド・アクト(株) 代表取締役 伊澤 慎一 氏
このWGでは次代の京都の担い手を支援する機会を提供するモデル構築と、府内市町村の新しい取組の紹介と健全な競争を促進する仕組みの構築に注力した。
補助金採択7企業(団体)へのフォローアップや、京都府や府内市町村のマッチング支援を行った。
今後は補助金採択企業にはPF会員加入を条件にすることを考えている。
5 Disease X感染症対策WG
京都府政策企画部 企画理事 吉岡 信吾 氏
公開イベントを2回、WG を4回、目的別MT16回、講演5回など実施した。
内閣官房グラントに採択され、下水抗原検査IoT試作機を完成したり、下水中の変異株検出でステルスオミクロン株早期検知に
成功などの実績を上げた。
次年度以降は各モデルの実証実験やエリア拡大、社会実装に向けた整備をし、事業創生、セミナーや執筆活動なども行って
いきたいと考えている。
(4)令和4年度の活動方針について
これまでの課題として成果に繋がっていないものやWGによりばらつきがあり責任所在等が不透明であったが、令和4年度からは
成果にこだわり入会のメリットを感じてもらうため、WGをゆるやかな「コミュニティ」と「実証・事業化WG」に分ける。
実証・事業化WGの共通ルールを策定してWGを先導するオーナーの設定や責任所在を明確化することにより、具体的な実証・
事業化を支援できると考える。
小さなエリアで小さな成功体験を進めていければと考えている。
(文責:事務局)
<特別講演>
元シスコシステムズ(同) 鈴木氏
<WG報告>
スマート街区WG データ流通加速化WG
NTTコミュニケーションズ(株) 伊藤氏 ソフトバンク(株) 東谷氏
感染症対策SCP_WG 地域課題WG
防災減災技術開発機構 勝田氏 シンク・アンド・アクト(株) 伊澤氏
データ流通加速化WG
京都府政策企画部 吉岡氏