第2回ビッグデータ流通加速化WGを開催しました

2022年03月04日 第2回ビッグデータ流通加速化WGを開催しました

開催日時

2022年2月22日(火) 15時30分~17時30分

開催場所

オンライン(WEB会議システム)

参加者

52名

開催概要

 (1)WGの概要説明
    ・データをどのように集め、どのように事業に繋げていくのかが課題である。
    ・産官学の垣根を超えてデータ流通を加速させ、データに基づく社会課題の解決やビジネスの創出をはかり、
     データ連携による価値創出の可能性を探ることが目的である。

 (2)講演「データ駆動型社会の実現を目指して」
    奈良先端科学技術大学院大学 先端科学技術研究科
    ユビキタスコンピューティングシステム研究室 准教授 諏訪 博彦氏
    ・Society 5.0で目指しているのは、現実空間とサイバー空間を情報取集・分析・フィードバックがリアルタイムでできる
     「デジタルツイン」の社会であると考える。
    ・データ利活用のポイントとしては、目的を設定することが大切である。また、持続的なデータ収集・蓄積ができるような
     オープンプラットフォームが必要であり、個人情報やプライバシー情報の取り扱いができる仕組みを実装していることである。
    ・具体的なアクションとして必要なことは産官学のデータ連携である。それぞれが持っている情報を繋ぐ仕組み、姿勢が
     大事である。

 (3)データ活用に関する取組紹介
   ◆「民間データの利活用に向けて」
    ソフトバンク(株)ソリューションエンジニアリング本部
    担当部長 東谷 次郎氏
    ・新たなサービスはひとつのサービス提供者だけでは実現しない。様々なデータ連携が必要である。
    ・今後はデータ共用プラットフォームをカタログ化、または仲介機能を持たせることによりプラットフォーム外の利活用者にも
     安心して使ってもらえるような活動もしていきたい。
     (諏訪)街づくりをデータに基づいて検討できるところが良いと思う。
     (東谷)地元の人が持つ暗黙値といわれるデータも集めることができればもっと地域に生かすことができると考えている。
     Q プロジェクトの課題、苦労したことなどは何か。
     A データを販売した経験がない企業にデータを出していただくよう話をするのが難しい。安心にデータが出せる
      仕組みづくりをしっかり行うことが今後の課題である。

   ◆「行政データの利活用に向けて」
    京都府 政策企画部 デジタル政策推進課 主査 小林 尭史氏
    ・KYOTO DATASTOREは2017年に公開し2021年にリニューアルしたオープンデータカタログサイトである。
    ・京都府統計書の統計データ以外のデータが少ない点が課題である。利活用しやすいデータの整理とともに
     データ拡充についても進めていきたい。
    ・アンケートについて、オープンデータの利活用経験がある方は全体の5割程度だが、KYOTO DATASTOREの
     利活用経験がある方は全体の約14%にとどまっている。
    ・オープンデータは外部情報の把握や事業拡大、新サービス開発などに向けて活用されていることがわかる。
    ・アンケート結果の参照したい分野と実際のデータセット数、PV数の多い分野が異なり、利用者のニーズと
     ミスマッチになっている可能性がある。
     Q KYOTO DATASTOREは将来的に民間データが掲載される可能性はあるか。
     A 将来的には民間データと公的データを合わせて掲載するというのも選択肢のひとつであると考えている。
     (東谷)魅力的な機能をより拡充し、民間データとうまく連携できる仕組みづくりをこのWGで検討していければと考えている。

   ◆「IoT等の実証データ活用に向けて」
    シンク・アンド・アクト(株) 代表取締役 伊澤 慎一氏
    ・データ分析の際はフォーマットが整っていることが重要である。
    ・データにより期間が揃っていなかったため、比較することが難しかった。従って持続的にデータを取り続けると
     いう枠組みにしないと分析は難しい。
    ・スマートサイネージにおいて、公共性の高いメッセージを出すことは大切なことだと考える。
    ・クラウド上で様々な人がBIツールを活用してデータを分析することで課題解決を発見できる可能性がある。
    ・公開できるデータがどれくらい増えるか、組織間の連携ができるか、データの信頼性を保つことが今後の課題であると考える。
     (諏訪)普段公開されていないデータを公開してもらう時に、そもそもどんなデータが存在するかをわかっていないため
     依頼しにくい。コミュニケーションが取れると行政データをもっと生かせるのではないかと考える。
     (伊澤)今回は、目的があった(仮説を持っておられた)のでチャレンジできたことが良かった点である。

     (諏訪)データとして何があるのかと同時に、こういうデータなら欲しいという要望を集めること、課題が何かを洗い出して
     マッチングしていくことが大事ではないかと考える。

(文責:事務局)

 

      <開催の様子>

<諏訪氏>               <東谷氏>

<小林氏>               <伊澤氏>

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