2024年04月03日 第13回全体会議を開催しました
開催日時
2024年3月12日(火)14時30分~17時
開催場所
キャンパスプラザ京都第3講義室
参加者
64名
開催概要
(1)特別講演
「新たな国土形成計画とその実装について
~「地域生活圏」の形成に向けた共助・共創のまちづくり~」
国土交通省国土政策局 総合計画課長 倉石 誠司 氏
- 新たな国土形成計画について
- 新たな国土形成計画が策定され、昨年夏に閣議決定された。これは8年ぶりの更新で、先10年から30年を見据えたビジョンを持つ。
- 新たな国土形成計画では地域交通と深く関わり、地方への人の流れを重視する。「共創」と「共助」をキーフレーズとし、複数拠点に生活拠点を持つ二地域居住の促進を目指す法案も提出されている。
- 日常の暮らしに関わるサービスを持続可能にするための新しい圏域概念である「地域生活圏」の形成が重要視されており、地域交通や教育、福祉などの日常の様々なサービスの持続可能性が目指される。
- 10年前までは日常的な生活を維持するために30万人の人口が必要であるとされていたが、デジタル技術の進化や官民連携、分野間の連携、市町村間の連携が促進されることにより、極端に言えば5000人ほどで地域生活圏の維持が可能となり、人口減少に対処することができる。
- 地域生活圏の形成に向けたモデル事例
- 官民連携や市町村間の連携による地域生活圏形成の代表的なモデルとして香川県三豊市の取組が挙げられ、デジ田交付金との連携をはじめ、関係府省が一体となって地域生活圏の形成を促進している。
- 三豊市では地域交通、学びと人材育成、空き家の活用などのプロジェクトが進行中で、地元の企業が民間プロジェクトの主導に立ち、官が側面支援を行っている。
- 地域間連携として、隣接する市町村との連携も進められており、官民パートナーシップによるデータ連携基盤の構築が進行中。
- 二地域居住の促進について
- 二地域居住の促進を目指す法案では、シニア層や富裕層ではなく、若い世代や中間層の人々をターゲットにしている。
- 官民連携で地域のビジョンを立案し、各種の制度設計や予算措置を行っている。
- データの利活用や地域交通における課題があり、地域の取り組みを参考にした全国的なモデルの構築を京都府には期待している。
倉石氏ご講演の様子
「データ連携基盤を取り巻く動向と利活用の方向性について」
KPMGコンサルティング株式会社 平田 篤郎 氏
- データ連携基盤とは
- データ連携基盤はスマートシティにおける都市インフラであり、先端的なサービス提供のための必要な基盤で、複数のサービスでデータを連携し、業務効率を最適化するための仲介役。
- デジタル田園都市国家構想の事業が始まった2021年から急速に導入が進み、国内各地で複数地域での導入が始まっている。
- 自治体の動向
- 導入状況は自治体によって異なり、例えば京都府ではデータ連携基盤に加えて、データ流通取引市場を構築し、事業が継続的に生まれていくようなエコシステムを作っていくところに注力している。
- 国の方針により、データ連携基盤を原則都道府県で1つにし、都道府県や中核都市が中心となって基礎自治体と協議をしながら共同で利用していく方向が目指されている。
- データ取引市場について
- 京都府ではデータ取引市場の整備も進めており、データを集めることでデータの価値が高まり、さらにデータが集まりやすくなる流れが期待されている。
- データ取引市場とデータ連携基盤を掛け合わせることにより、より効率的な都市サービスの提供やビジネスの成長が促進されると見込まれている。
平田氏ご講演の様子
「データ利活用のトレンド〜『京都モデル』のご紹介」
ソフトバンク株式会社 東谷 次郎 氏
- 京都府の取組について
- 京都ビッグデータ活用プラットフォームは、多様なデータから新たな価値を生み出すことをコンセプトにしており、システムとしてのプラットフォームだけでなく、人的交流も含めたプラットフォームを構築している。
- 平成30年から始まった取り組みでは、デジタルサイネージの配備や公園スマート化事業などが行われ、データの収集・活用に取り組んできた。
- 令和4年度以降はスマートライフサービスやデータ取引市場の整備が行われ、自治体のデータ連携に関する取り組みが進展している。
- 京都府の持つデータ取引市場「京都データマーケットプレイス」について
- 京都府は1年前からデータ利活用のモデルをトライアルし、京都データマーケットプレイスには官民のデータが現在1000件以上掲載されている。
- 京都データマーケットプレイスに掲載されているオープンデータについては京都府だけでなく、福知山市、舞鶴市、亀岡市のデータも掲載されており、今後全自治体のデータを掲載したいと考えている。
- 民間データは民間の取引市場であるエブリセンスプロと連携しており、そこには約400件のデータが掲載されている。
- 京都データマーケットプレイスでは、データを保有せずにデータカタログの掲載のみを行っており、あくまで取引をマッチングする仲介の役割を果たしているため、データの安全性が担保されている。
- 京都データマーケットプレイスのAPIでデータを連携する形式が評価され、一般社団法人データ社会推進協議会DSAの今年度のDATA-EX賞「データ社会活用アイデア大賞」を受賞している。
- 京都データマーケットプレイスは、他の自治体や民間企業とAPI連携し、データの交換を容易にする京都モデルとして他自治体に注目されている。
東谷氏ご講演の様子
(2)会員からのお知らせ
「事業発展に向けたオープンイノベーションセンター・亀岡の利活用について」
京都先端科学大学 柴田 雅光 氏
(3)会員からのお知らせ
実証・事業化WG、コミュニティの中から下記4団体の活動を報告
- メタバース・Web3活用コミュニティ【京都府デジタル政策推進課、株式会社Halle Game Lab】
- 商店街におけるSociety5.0実現コミュニティ【株式会社村田製作所・錦市場商店街振興組合】
- 公衆無線LAN(OpenRoaming)普及WG【株式会社Local24】
- 建設DX促進コミュニティ【株式会社MIEZ】
(4)京都ビッグデータ活用プラットフォームR5年度活動報告・R6年度活動方針
京都ビッグデータ活用プラットフォームのR5年度の活動報告とR6年度の活動方針・スケジュールを説明。
第2部交流会の様子
(文責:事務局)