2022年11月24日 第1回デジタル田園都市実現のためのデータ活用促進イベントを開催しました。
1 開催日時
2022年10月12日(水) 13時~17時
2 開催場所
QUESTION4階(京都市中京区河原町通御池下る下丸屋町390-2)
https://question.kyoto-shinkin.co.jp/access/
※オンライン配信もあり(講演会のみ)
3 参加者
講演会参加者:51名 ※オンライン参加者含む
ワークショップ参加者:22名 ※ワークショップは現地参加のみ
4 主 催
主催:京都ビッグデータ活用プラットフォーム運営協議会
運営:ソフトバンク株式会社(ビッグデータ流通加速化WG事務局)
5 概 要
(1)挨拶
京都府 商工労働観光部 文化学術研究都市推進課 課長 梅原 和久 氏
京都府では平成30年からビックデータ活用プラットフォームを作り、産官学でビックデータの活用・ビジネス検討を進めています。
現在、ビックデータ活用プラットフォーム会員は160を超える団体に参加いただいており、今年度はデジタル田園都市国家構想推進交付金も採択され、さらにデータ活用の促進を進めるためデータ取引市場を整備予定しています。
また京都府精華町ではウェアラブルデバイスを町民に着用いただき、バイタルデータを取得しながら、歩く街づくりに繋がる取り組みを実施する予定です。
各種取り組みの中での共通課題は「どういうデータがどう集まってどう活用されるか」ということです。
本日の講演会・ワークショップを通じて、成功事例やデータ活用までの具体的なイメージを持っていただき、京都府も一緒になって、データ活用のヒントや切っ掛けに繋がればと考えています。
(2)特別講演
「ビックデータで架け橋をかける!街づくりにおけるデータ活用」
ヤフー株式会社 データソリューション事業本部
パブリックエンゲージメント部 部長 大屋 誠氏
大屋様は官公庁向けにYahoo!のソリューションの活用アドバイスや一部自治体様のコンサルティングを実施しており、講演会では、街づくりにおけるデータ活用の事例をご紹介いただきました。
ヤフー株式会社では100を超えるサービス提供をしており、各種サービスはお客様から取得できるデータを用いて提供しています。
例えば、「検索データによる観光動向データ」や「位置情報から取得できる人手動向データ」「来訪者の検索キーワードデータ」などを取り扱っており、お客様のTPOに合わせて様々なサービスを提供しています。
人々がより良い判断をするためには「人々の判断を支えるデータ活用」が重要であり、あくまで人が中心であるデータ活用が重要であるとお話いただき、そのためにはまずは「現状把握と洞察の共有」が大事であり、その後「街の好循環の仮設作り」「観測」「最終評価」という、小さなステップごとにデータを利用することが大事であるとお話されました。
現状把握がなぜ重要なのかについては、「ソラ」「アメ」「カサ」を例に適切な現状把握が課題を明らかにするとお話いただき、観光向け・官公庁向け・研究向け・企業向けのデータ活用の事例を幅広くご紹介いただきました。
参考)伝わる技術説明は「空・雨・傘」 論理の流れを示すフレームワーク
https://xtech.nikkei.com/atcl/learning/lecture/19/00027/00009/
一例として、九州産交グループの公共交通無料施策の効果検証の事例では、大型商業施設、バスターミナル開業に伴う交通渋滞の悪化や周辺商業施設への影響を加味し、バス・電車の無料施策を実施し、渋滞解消や経済波及効果の評価を人口の流入データや人の移動データ・渋滞状況の可視化実施し、評価を実施されました。
「全ては私たちが、より良い判断を助けるためであり、私たちはそのデータを活用するお手伝いができればと考えております。まずは現状把握をし、その洞察を共有し、小さなステップごとに考えていくのが大切である」と語り、会場からは盛大な拍手が送られ、講演会は終了しました。
(3)ワークショップ
講師 株式会社コミュカル 代表取締役 松岡 光隆 氏
今回は、「データ活用」というビジネステーマのセミナーということもあり、完全デジタルでのワークショップを企画・実施いたしました。
従来のポストイットと模造紙を使ったワークショップではなく、参加者はプロジェクターに映し出されたQRコードをスマートフォンで読み込み、アンケートツールを用いた完全デジタルでのワークショップを実施しました。
スマートフォンから投稿された回答はプロジェクターにリアルタイムで表示されるので、他のかたが何を選択したのか、自分の選択が少数派なのか多数派なのか、すぐに確認することができます。
はじめに「データ活用」に関する基礎的な講義を実施し、参加者にはヘルスケアデータの活用事例を含め、データ活用の理解を深めていただきました。
ヘルスケアデータを用いたサービス事例としては「拡張型」「組み合わせ型」「取り込み型」の3つのサービス例を紹介しました。
拡張型とは、現業のプラットフォーム上に新たなヘルスケアサービス・商材を付加するサービスのことであり、例えば三重県大台町のオンデマンド交通と診療を合わせた医療・行政MaaSの事例をご紹介しました。
令和4年度、医療MaaSの実証実験を10月6日に開始 |
https://www.dnp.co.jp/news/detail/20167980_1587.html
組み合わせ型とは、ヘルスケア事業者と共同でサービスを持ち寄り、新規ビジネスを立ち上げることであり、例えば、あすけん・京都大学糖尿病の栄養食事指導を補助するアプリの共同開発をご紹介しました。
京都大学とaskenが糖尿病の栄養食事指導を補助するアプリを共同開発
https://www.asken.inc/news/2021/12/7/asken
取り込み型とは、既存の自社サービスに自社開発のヘルスケア機能を付加することであり、例えば、住友生命の保険の一種である「バイタリティ」をご紹介しました。
住友生命「Vitality」とは?
https://vitality.sumitomolife.co.jp/
その後参加者には企業においてのデータとライフログデータを活用したサービスを考えていただき、アイデアを出し合っていただき、ワークショップは終了しました。
(4)閉会の挨拶
京都府 商工労働観光部 理事 髙橋 義典 氏
前半の講演会では、データの活用方法について、中小企業の方や店舗を実際にお持ちの方にとっては、参考になるお話だったと思います。今後はデータ活用の事例については、随時チェックしていこうと思います。
後半のワークショップでは、本来なかなか手を挙げて発言はしにくいが、スマートフォンで発言することで思い切った意見が書けたり、自分のいいたいことが素直に書けたと感じたのではないかと思います。
本イベントを通じて、私自身、データ活用について皆様自身も今後考えていく切っ掛けになり、また皆様も「データの利活用やデータ活用の本質とは何なのか」を考える切っ掛けになったのではないかと思います。